いずれはピアノ教室を!自宅で自分の都合にあった働き方

練馬区の一軒家で、夫と子どもの3人暮らしという木村幸子さん。大阪の芸術大学を卒業しながらも、ピアノ教室だけではなかなか収入が安定せず、働き方を模索した日々。

結婚を機に東京に引っ越し、出産後に出会ったのが女性専用のクラウドソーシングサービス「Woman&Crowd(ウーマンクラウド)」でした。毎日の生活にメリハリが生まれ、自分らしく働くことができているといいます。


のんびり過ごした大学時代。卒業して働く厳しさを知る

京都弁のイントネーションではきはきと話す木村さん。大学時代から、京都の実家でピアノ教室を始めていたそう。

「大学の同期には、就職活動に一生懸命な人はあまりいなくて、私もさほど熱心ではありませんでした。卒業後は、大学の教授に紹介してもらった音楽教室で働くことになったのですが、通り一遍の教え方になんだか納得がいかなくて続けられず…。辞めた後も自宅で細々とピアノを教えていましたが、生徒である小学生は午前中に学校があるため、レッスンは午後のみ。時間が有効に使えませんし、いつ生徒さんも辞めてしまうかわかりません。そのときにようやく、社会の厳しさを知ったのだと思います。収入の安定する仕事をしなくてはいけない、と考えました」

その後、空いていた午前中、知り合いに誘われた時計販売店で働くことになります。

「最初は全く時計に興味がなかったのですが、働くうちに時計が好きになっていきました。社会にはいろいろな世界があるんだ、と知ったのです。また、安定した収入があるということで、気持ちに落ち着きが生まれました。ピアノ教室の生徒さんも増え、成長が見えるととてもやりがいを感じました」

販売員とピアノ講師という二足のわらじ。一見大変そうですが、充実した日々だったといいます。


憧れていた中学校音楽科の仕事に! ところが苦労も多く…

その後、時計店を辞めて小学校の非常勤講師の仕事を始めた木村さん。子どもに教えることが好きだったため、もともと持っていた中学校、高等学校の教員免許に加え、小学校の教員免許も取得。33歳の時に知り合いの紹介で、中学校音楽科の常勤の仕事が舞い込みます。

「中学校で教えることにずっと憧れていました。中学生のときの音楽の授業がとても楽しかった思い出があり、私も楽しい授業がしたい、と思っていたからです」


ところが、常勤講師として働くと、思いもかけない苦労が多かったようです。

「育児休暇中の先生の代わりを務めていましたが、学校で音楽科の先生は私だけなので、必然的に学科主任になります。文化祭で歌うクラスの曲を決めるにも、先生の思いと子ども達の実力の間で板挟みになることもありました。さらに、女子バレー部の顧問がいないからと、ルールもよくわからないままに顧問になり、生徒とぶつかることも。何も知らない私の言うことなど、子ども達は聞いてくれないのです。休日に試合があると付き添いをするので、土曜日に変えてもらっていたピアノ教室のレッスンも、さらに日程を変更したり…」


憧れだった仕事も、苦労の方が多く、「先生、また痩せたんちゃうか?」といろいろな人に言われる始末だったのです。


「それでも、ボーナスが出たときはとても嬉しかったです。苦労は多いけど、収入もそれに伴うのだとわかりました。常勤講師を始めて一年が経つ頃、来年も講師登録をするか希望を聞かれました。講師登録をしておくと、講師に空きが出たときに常勤講師として勤めることができます。“大変だけど…どうしよう”と思っていた頃、東京在住だった今の夫と結婚話が持ち上がったため、講師の登録はやめて、結婚と同時に東京へ引越を決めました」


結婚後、家事・育児中心の日々から クラウドソーシングという働きかたに出逢う

「結婚して東京に越してきてからは、学童で週に3~4日働いていましたが、半年ほどで妊娠してすぐに辞めることに。子どもが産まれてからは、育児が中心となり、区報などで募集されている仕事をたまにやる程度でした」

現在、子どもが通う幼稚園に預かり保育もあるものの、フルで働くのは難しい状況。また、週に何日という働き方も、幼稚園の役員の仕事やお手伝いなどが多く、難しいようです。子どもが小さい今は、融通の利く仕事でないと続けにくいというのが正直なところ。

そんなとき、新聞の記事でクラウドソーシングサービス「Woman&Crowd」を知ります。

「空き時間でできるお仕事があるということを初めて知りました。ウェブページがわかりやすくて、登録してすぐにお仕事を始められました」


最初は数十円の簡単な仕事から始めた木村さんですが、現在は専門性の高いライティングを依頼されています。

「あるとき『得意なものを3記事書く』という依頼でピアノや教育関連のことを書いたのです。その後、継続依頼でピアノの長文記事のお仕事をいただきました。写真も撮影しますが、1回のお仕事で1万円 くらいになります」


ピアノの知識を活かせる木村さんならではの仕事。忘れていることもあるので昔購入した文献から調べるなど、知識の再確認にもなっているそう。

「はたらく」ことは人生の一部。やりがいとメリハリを与えてくれる

「生活にメリハリも付きました。朝10時までに家事や食事の準備など全部済ませて、夕食は温めるだけという状態にしています。10時から12時までは、Woman & Crowdのお仕事。その後お昼を済ませると、もうお迎えの時間です。その後は子どもと遊んだり、買い物に行ったりして過ごします。幼稚園の用事があると仕事ができませんが、締切に間に合えばいつやってもいいので、今の私に合っていると思います」


午前中に家のことだけでなく、仕事も済ませてしまうとは。お母さんとゆっくり過ごせる子どもは嬉しいに違いありません。

充実した生活を送る木村さんに「あなたにとって『はたらく』とは?」という質問を投げかけてみました。


「私にとって『はたらく』とは、人生の一部ですね。理屈では、夫が稼いでくれれば働かなくてもいいのですが、やはり自分が稼いだお金で夫にプレゼントをしたり、子どもに何か買ってあげたいと思います。仕事があることで、やりがいやメリハリが生まれ、お金も得られることで生活が豊かなります」

今後も書く仕事は続けていきたい、と木村さんはいいます。

2年前に今の住まいを選ぶ際、玄関に近い部屋にピアノが置けて、リビングを通らなくてもトイレに行けることを条件にしていました。つまり、今後ピアノ教室を開くことを見据えてのこと。子どもを育てながらも、ピアノ教室と、記事を書く仕事。これまでいろいろな環境に対応してきた木村さんなら、きっと上手く両立できるに違いありません。


取材・撮影・文:栃尾 江美(アバンギャルド/WOOTS)

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